期せずしてどっぷり日本語の海に潜る

どう英訳する、これ?

あたくしは人に自分の職業言う時、「マッサージセラピスト」だと言っておりますが、パートタイムで翻訳会社のお仕事もしております。

といっても、翻訳をしてるんじゃなくて、プロジェクトマネージメント、、つまり、翻訳者・校正者と翻訳依頼側のなかを取りもつ役目ですな。翻訳するものの内容によって、適した翻訳者を探したり、コスト計算したり、スケジュールを調整したり、翻訳書類の最終確認をしたり、トラブルに対応したりってのが主な仕事。

でも最近、日本語訳のプロジェクトが来た場合、あたくしが校正役をするようになってきました。校正仕事を以前してたわけじゃないし、普通は他の翻訳家か校正専門家が校正を引き受けることが多いんだけど、小さな依頼があった時に、このくらいならって言うんで引き受けて、そのうち原訳した翻訳者にも、私の校正結果を認められてきたこともあって、だんだん大きなプロジェクトの校正も任されるようになった次第。国語が好きで良かったぜ。(給料上げてください。)
校正って結構面白いんだけど、言葉、言語、意味、その文章を読む対象者は誰か、目的は何か等々、改めて色々と考えさせられます。あと、「てにをは」に異常に注意を払ったりとか、同じ意味でもどういう言い回しが最も適してるんだろう?とか。

で、いつもは英語から日本語へ訳された文章の校正をするんだけど、一度、小さな特許書類の日本語>英語訳の校正をしてみたら結構いけたらしく、先日はものすごいでっかい特許書類の英訳の校正を任されてしまった。

いや〜特許文書ってのは、、、、、ものすごーーーくつまんない!!
これはもう、日本語だからとか英語だからの問題じゃなく、意図的に「味気」も「素っ気」もこれでもかと抜き取り去った、機械的に説明された文章の羅列。しかも、同じようなフレーズの繰り返しが延々と続く。まあでもそれだけなら、こっちも機械的に処理したらいーんだけど、本当に訳が正しいかもチェックするには、その特許技術の内容も理解する必要がある!あたしゃ〜文系だっつーのに。。。
もう、少しでも分からない箇所があると、インターネットと電子辞書を駆使して調べまくる。インターネットが、電子辞書がこの世界にあって本当に良かった。で、日本語の原文が言いたいことをまず理解して、それから英語がホントにそう訳してるのかどうかをビシビシにチェックするわけですな。

今回の技術は、私がなーんも知らない分野だったけど、調べてたらその機器に使用されてる技術の原理、使用・応用のされ方なんかが面白くって、「ほお〜すげえ〜、なるほどねーーー、OO君(開発者)たら、すげーあったま良いねえ〜〜」とか一人でブツブツ感心しておりました。

だがしかし。

この英訳バージョン、、、、ひどい訳なんだこれが!
もちろん日本語堪能で特許翻訳を専門とするアメリカ人が訳したんだけど、日本語理解云々以前に、文章中の図式の番号をゾロゾロ間違えてたり、「右・左」「高・低」が逆だったり、言葉や文一つごっそり(!)抜けてたり等々、てめーなめとんかー!と、もし本人が横にいたらハリセンぶちかましてたに違いないアホなミスが続々。漢字一文字の違いで、全く別のモノになるのは日本語では当たり前なのに、似てる言葉はそのまま同じ訳をされていたり。ちゃんと読んだらヘンだって気づくはずじゃん?文章の意味の取り違いもあちこち。
信じられん。
校正の量、ハンパじゃない。
真っ赤。
これでもプロか。
もしやこの人、、、今までこんなザルな仕事をしても許されてたんだろーか。(ウチの会社で彼を起用したのは初めて。)

思いっきり校正マークだらけの原稿を戻したら、電話とメールで謝罪しつつ言い訳してきた。「今回、早く仕事しすぎちゃって、それに原文の文章もヘンだし云々」だって。
かっこわりーよ、おっちゃ〜ん!
締め切りも迫ってきて、もうあたくし夜中までかかっちゃったわよ。
仕上げ段階では、「君と僕で素晴らしい特許文書を作り上げることができたね」とかしゃーしゃーと言ってきて、わたしはもう彼を起用することは2度となかろうと思いました。

かと思うと、英語から日本語訳の校正で、最近面白いプロジェクトが。
この原稿は特許とはまるで逆の、マーケティング的な要素をふんだんに含んだ、味も素っ気も情緒もある文章。

私は以前から、例えば海外の博物館や観光地にあるパンフレットの日本語バージョンの文章って、ぎこちなくって、いかにも「ちょっとヘンテコだけど原文がそうだから仕方ないんです〜」って言ってるみたいでイヤだったんだけど、この翻訳原稿もそんな感じ。
・・・これは、もしかして、チャンス?
できるだけ普通の日本語らしい日本語にしてみたい!

というわけで、翻訳者の方にはちょっと申し訳なかったんだけど、またまたネットと辞書を駆使しまくって、内容はモチロン変えることなく、でも言い回しがもっとスムーズな訳になるよう(かなり)校正してみた。「てにをは」もヘンなところがいくつかあったけど、それは英語と日本語の文章の構成の違いから発生しがちなので、「意訳」寸前のところまで変更してみたりした。

結果、この翻訳者の方、ほとんど何のコメントもなく変更受け入れてくれた。あらま。
やってみるもんだなあ!

でもこれ、やってると面白い。
日本語の良い意味での緩さ、表現の豊かさ、ニュアンスの出し方、、、
でも逆にいうと、日本語はその表現していることの背景にあるものへの共通理解を強く要求してる言語だなあと思う。常に今の日本語を読んでないとこの仕事は難しいだろーな。
ボケ対策になるか?(忘れっぽいのは治らんやん!)
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by boulderMikiko | 2010-03-31 16:28 | 日常生活


コロラドはボルダーのマッサージセラピスト・美紀子のブログ。熊本生まれ、ワシントンDC、プロバンス(仏)、東京、モントリオール、ニューヨーク生活を経て、ロッキーの山の中人生を楽しんでおりまっす!


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