カテゴリ:りっちゃん(Richard)( 2 )

ありがとう、ニューヨーク。

昨日まで丸一週間NYに滞在してきました。
天気は今イチっつーか、寒くって、冷たい雨も降ったり、北風が強く吹いたりで、歩くのも楽しーーてな感じではなかったけど、目的であった貸し倉庫の荷物の整理、大事な友達連中に会うことは達成できて良かった。
・・・というか、思った以上の展開となったのであった。

ラガーディア空港からアストリアの友人宅に向かうバスの中で、すでにもうNYの空気感に心が重くなってしまった。夜のマンハッタンを歩きながら、もう街の風景が自分の中で、確実に過去のものに変わっていることに気がついた。

次の日に、リチャードとも頻繁に通ったヴィレッジの寿司屋に行ってみた。彼の息子がモデルになる前にバイトしてたりして、わたしが10年以上前に初めてNYに来た時にも訪れた店だった。でも早足で店に向かったら、なんと閉店してビルも売りに出ていた。
ヘッドウェイターのじゅんさんからのメッセージが店のウィンドウに貼ってあって、彼やスタッフは他の寿司屋にいることが書いてあったけど、そこに行こうという気持ちにはなれなかった。オーナーも喉頭癌で数年前に亡くなられていて、彼の元でずっと寿司を握ってたメキシカンのシェフが寿司部門を一手に引き受けていたけど、この彼もホントに努力家で懸命に働く感じのいい人だった。
レストランの開店/閉店の激しいNYだし、全く不思議なことではないのだけど、わたしの中のNYが一つ終焉した感じがした。ちょっとおセンチすぎるかもしれないけど、ホントにそんな感じ。
こう、時は確実に流れて、この世の全てはどうしようもなく過去になっていき、そして人生は続いていく。行きている限り、何がどうであろうと進んでいくしかない。そんな感じ。

その後、倉庫に行って、自分の荷物を見ながら、これはもうここに荷物を残す意味はないなあと実感。NYにもう戻って住むことはない。NYにある荷物は、何かあった時にはNYにもわたしの足がかりがある、という気持ちの表れだったんだと思う。
とても全部の荷物をコロラドに送るのは量的にも金銭的にも無理だったので、「送るもの」「あげるもの」「捨てるもの」に分類して、なるべく要らないものは「あげる&捨てる」にすべく気持ちを切り替えていった。
そして、今回、絶対に捨てられないと思っていた、リチャードのメディカルレコードも捨てた!
これは私の内部の大きな変化を象徴する行動。リチャードに関するものはそこに彼の粒子が残ってるような気がして本当に捨てられなかった。メディカルレコードは、それを読み込むことでもっとその時の彼を理解できるような気持ちがあったように思う。
けれども、それは違ってると今回思った。わたしがどんなに彼の「モノ」に執着し、思いを入れ、祈っても、彼が帰ってくることは、絶対に絶対にない、ということが実感として分かった。ある日奇跡が起こり、道の向こうから彼が歩いてくるというわたしの妄想は、どんなに頑張っても妄想でしかない。それがようやく実感できた。勿論アタマでは分かっていたことなんだけど、自分の身体も含めてそれは実感できなかった、、というか実感したくなかったんだと思う。

彼はむしろ私に、モノに執着せず、わたしが新しい人生に向けて最も良い選択をしていくことを応援するだろう。

そして今回、彼がNYに居たくなかった気持ちが理解できた。なぜ彼はあんなに自然を求めていたのか。NYで死ぬことは絶対に避けたかったのか。彼にとってNYは生まれ故郷だったけれども、生まれた土地が本当にその人にとっての「故郷」ではないのだと思う。少なくとも彼にとってNYは本当の彼の故郷ではなかった。

彼の命日あたりに、ちゃんと彼は私の夢に現れてくれた。
モノは一刻と確実にほろびていくし、記憶だって薄れていく。多分、自分の身体も心もアタマもひっくるめて会得したもの、滋養になったもの、一部になったものが、年輪のように幹になっていくのかもしれない。
わたしが幸せでいることを、人生を前に歩いていくことを、ロッキーの山のように、雄大な阿蘇のように、太陽の光のように、見守ってくれている。わたしにとって、彼はそこにいる。
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by BoulderMikiko | 2007-11-20 12:23 | りっちゃん(Richard)

冴えた月の夜

さっき、近所に住む友達の家でゴハンを食べて、歩いて夜道を帰ってきた。
見上げると空には無数の星、そして冴えざえとした三日月が出ていた。

そして、思い出した。
この空気の質感、透明感。冴えた月と光。
旦那、リチャードが亡くなってもうすぐ2年になろうとしている。
彼が亡くなる前の4週間、わたしは会社から長期休暇をもらって、彼と一緒に
ずっと過ごした。
環境の悪いNYを離れて、彼の長女の家に滞在していた。
わたしのためにも、生きられる間は生きようと最後までがんばった彼と
毎日一度は近所を散歩して歩いた。
夜になってから歩くことも多かった。
この季節独特の空気の質感と透明感の中で、月がこうこうと輝いて
わたしたちを見守っていた。満月の夜だった。
手をつないで、一歩一歩一緒に歩いた。
わたしがあまりに強く彼の手を握り締めている、と彼に言われた。
気が付かなかったが、わたしはがっしりと彼の手を握っていたのだった。
一緒に呼吸した空気、一緒に見上げた月。
去年の今ごろも、やっぱり月を見上げてこの季節がやってきたことを知った。
強く握った手の感触、時々頬に触れる彼のシャツの肩。
これから先、彼との新しい思い出が作られることがない、という事実がまだよく
実感できない。
りっちゃん、わたしは元気でがんばってるよー。
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by BoulderMikiko | 2006-10-30 04:56 | りっちゃん(Richard)


コロラドはボルダーのマッサージセラピスト・美紀子のブログ。熊本生まれ、ワシントンDC、プロバンス(仏)、東京、モントリオール、ニューヨーク生活を経て、ロッキーの山の中人生を楽しんでおりまっす!


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