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Vipassana体験<その5・帰還>

コースは4日目からは「anapana(アナパナ)瞑想」から本命の「Vipassana瞑想」に移る。どう違うかというと、、、「こりゃ、『ひとりクラニオ』みたいなもんやな~」というのが私の結論でございます。詳細は今ここで書きませーん!でも非常に身体&心の健康に有効であろうと思われ。
ちゃんとするには、かなり集中力と落ち着いた心が必要で、アナパナができてないとヴィパサナにはいけません。「痛み」で代表されるような苦だけでなく、とても心地よい感覚に包まれる部分もあるので、逆にその心地よさに執着をしない、求めない、という厳しさも要求されます。
まあ仏教の基本は何にも執着せず何からも自由になるっつーことで、その自由になった状態が本当の幸福である、と。(ヴィパサナはゴータマさんのやってたこと、思想を最もそのままの形で留めている仏教に基づいている。なので、「宗教」ではない。)
でもね、「喜楽」を経験した後、それに「執着」しないでいることができるか?「愛着」てのはどう?
こんな喜び、こんな気持ちいいこと、「また経験したーーーい!」とそれを求めてしまうのが生き物なわけで、でもそれを求めてる間は本当に幸せになれないよ、というわけである。
これは、難しい。
理にかなってるけど、到達するのは難し~。
痛みや悲しみ、怒りからの解放よりも、こっちの方が難しいような気がする。

ま、そんなこんなでコースも終わりに近づいていき、アップ&ダウンも色々あったが、ほぼ毎日わたしを悩ませた事項の一つに、(お待たせしました~)くだんの「黒サンタ爺」の件があった。
なんでそんなことで悩まなアカンの、ワシ~?と、この件が浮上する度にバカバカしくもなったけど、なんで浮上してきたかというと、もちろん私がいらぬウソをついてしまったからに違いない。
でもさ~、「乗せたくないから帰りは誰か見つけて下さい」とは言えないだす。言えないよーやっぱし。
で、初日に話ができなくなる寸前に、携帯写真の件などあったものの、やっぱり気の毒になった私は、「最悪、デンバーまで(行程の半分くらいの距離)は乗せていきます。そこからボルダーへの直行バスに乗れますよね」と言っていたのだった。

でも後になって瞑想中に(コラ!)、そういえば解散日のお昼には、私はNYからスキーに来ている友達とボルダーでランチをする約束をしており、デンバーに寄ることでボルダーに帰るのが遅くなるとまずいなあ、と思い当たってしまった。その友達は、ランチの後、私のマッサージを受けて、そのまま空港へ向かってNYに帰る、、という予定だったから、時間のずらしようもない。
うーん。。。
デンバー寄るのやだなあ~~。
やだな~、、やだな~~、、やだな~~~(ぐるぐる)
・・・仕方ねえ、んじゃ、もういっそあのオヤジ、ボルダーまで乗せてっちゃるか。
でもなあ、せっかく人と喋らない世界で瞑想満喫した直後に、車の中で色々また話しかけられるとイヤだし。「まだ話をしたくないので静かでごめんなさい」とか言うか。
でもそんな嫌々「親切」するのって不誠実じゃないの?不誠実なことしてお互い後味悪い思いとかするんじゃない?
でもあの人、誰も他に見つけられなかったらマジで帰るのものすごい大変に違いないよ?ほんの2時間半くらいいいじゃんよ?
でも車がタバコ臭くなるよ?色々絶対話しかけてくるよー?やっぱデンバーまでにしたら?
いや、でも、遅くなっちゃうかもよ。
でも~でも~でも~(ぐるぐる)

・・・というわけで、この件が浮上してひと時邪魔をされると、「まあ明日はまた違う考えになるかもしれんから、とりあえず最終日までこの件は保留!それまでは考えんとく!パス!」と自分に言ってまた瞑想に戻る繰り返し。でもやっぱし一日一度はやってくる。

で、結局どうなったかというと、、、
最終日(10日目、解散日は翌日の早朝)の朝、私は決心した。
もう、ボルダーまで乗せる。
それが一番シンプルだし、自分で後で罪悪感にさいなまれたりもしないし、2時間半くらいヘーキさ。あんまり話したくなかったら、ちゃんとそう言おう。わかってくれると思う。自分が逆の立場でもそれくらいでイヤな思いなどしない。
しかし、彼もこの10日間ちゃんと帰れるか心配していたかもなあ~。。

思いがけず10日目は、普通の生活に戻る前段階として、朝の瞑想が終わったら話をして良いことになったので、解禁になってすぐ彼に「友達にはボルダーで会うように調整するから、ボルダーまで乗せていってあげます」と言いに行った。
彼は例の単調な調子で、「そう?オッケー」
その反応に少しがっかりした私は、「あっそうか、喜ぶだろうという期待をしていたんだなあ」と気づく。
で、すかさずオヤジ、「ミキコ、ところで、real breakfast(=本当の朝食)を食べたくないか?」と言う。
「は?」(解散は朝食後なのに?)
「帰る途中で。」
「real breakfastって、どういう意味???」
「ほら~、ベーコン、ソーセージと卵とか~~。。とっても恋しかったんだ~~」
ウッ!
その途端、わたしのアタマにギトギトのベーコンとソーセージが浮かび、軽い吐き気に襲われた。
「NO~~~!!!No way! イヤ、それはムリ、ありえない!」と直ちに大拒否反応。
こ、この人、私は友達に会いに行くと言ってるのに、しかもさっきまで誰か乗せてくれる人がいるかどうか分からない状況だったろうに、、、こんなにおいしい朝食を毎朝食べていたのに、油ギトギトの超不健康食恋しがって、しかも私も一緒にダイナー行って食べることを期待していたのか~!マジ~?サンタ体型なのも納得じゃー!何がうれしゅーて、オヤジと差し向かいで2人でベーコン食べなあかんのやー!!
「悪いけど、もしどうしても食べたいんだったら、他の人をやっぱり探してください。」
オヤジ、わたしの気色に押された様子で、「いや、大丈夫。。。乗せてってもらう。どうもありがとう。。」
すごすごと去っていくオヤジ。
・・・はっ!!あ~しまった。。。「(あらゆる事象や刺激に)無条件に『反応』をしないように」というこの10日間のヴィパサナの訓練、もうふっとばしちゃったよ。。。とほほ。
しかし、私はベーコン好きなんだけど、今回はモロに身体が拒否反応だったなあ~。面白い。。

そしてその日の夕方、サンタ爺がやってきた。
「XXXさん(サンタと同年代くらいのオヤジ)の車で帰ることにしたから、送らなくていいよ」とのこと。
・・・なーんだ。
おっけー。
最後は予想外の展開。でもなるべくしてなったような感じも。
そう、大体何日も悶々と悩んだり色んなケースを想像してみたりしたことって、想像外の結果になること多かったりするな。(少なくとも私はそうだ。)
しかし、この件にも10日間ずっと悩まされたけど、すっごく勉強にもなったなあ~~。


ホントにでも、色々経験できた、すごい10日間だった。
この10日間は私の中の宇宙旅行だった。
宇宙へのポータルは自分の中の井戸にあった。

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by bouldermikiko | 2009-04-07 03:55


コロラドはボルダーのマッサージセラピスト・美紀子のブログ。熊本生まれ、ワシントンDC、プロバンス(仏)、東京、モントリオール、ニューヨーク生活を経て、ロッキーの山の中人生を楽しんでおりまっす!


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